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コーヒーの品種

コーヒーの品種
2016-06-11 Nobuko Utsunomiya

アラビカ種とロブスタ種

コーヒーは、大別して2つの原種に分けられます。アラビカ種とロブスタ種です。それらはさらに幾つもの亜種に分類され、異なる生育条件がもたらす品質の違いは、味にも大きな差を生み出します。

実際のところ、すべてのスペシャルティコーヒーはアラビカ種です。

しかし、すべてのアラビカ種がスペシャルティコーヒーということではありません。アラビカ種は、その風味の良さから、ロブスタ種よりも多く世界中で栽培されています。ロブスタ種は、より多くの実をつけ、 赤さび病などの植物病害に感染しにくい一方、その味は1次元的で苦みが強いのが特徴です。アラビカ種とロブスタ種の上に、第3の原種であるリベリカ種がありますが、強い苦味があり、そのシェアは1%と少ないです。

コーヒー品種の選択は、コーヒー農家にとって重要な決定事項です。通常、良い風味を持つ品種ほど、収穫高が小さくなります。現在、良い風味を持ちつつも生産性の高いコーヒー品種の改良が世界中で試みられていますが、伝統的な品種は、味のテストで未だその高い地位を維持し続けています。最もよく知られているコーヒー品種のすべてはアラビカ種となっています。

Coffee varieties. Coffee Family Tree by Cafe Imports.

コーヒーの系図

アラビカ種の主な亜種

ブルボン種

ブルボン種は、ティピカ種と併せ、アラビカ種の2大亜種です。もともとは18世紀にブルボン島で誕生した種ですが、その後19世紀後半にブラジルに渡り、中南米で急速に広まっていきました。際立って収穫高が大きいというわけではありませんが、素晴らしい風味を持つのがこの種の特徴です。ブルボン種をもとに、様々な亜種へと発展しています。

カティモール種

カティモール種は、カトゥーラ種とティモール種との交配により生まれた品種で、1959年にポルトガルで栽培されるようになりました。ロブスタ種の亜種であるティモール種が交配されていることから、カティモール種の酸味は弱く、少し苦味があるのが特徴です。しかし、この種はインドネシアの気候に非常によく合い、心地よいハーブの風味を醸し出します。

カトゥアイ種

カトゥアイ種は、カトゥーラ種とムンドノーヴォ種との交配により生まれた品種です。1940年代にブラジルで栽培が始まり、カトゥーラ種よりも高い生産性を求めて改良された品種ですが、その品質の高さはカトゥーラ種に負けず劣りません。

カトゥーラ種

カトゥーラ種は1930年代に、ブルボン種の突然変異でブラジルで誕生しました。背はブルボン種よりも低く、より多くの枝を付けており、このことが生産性の高さの一因となっています。品質の面ではブルボン種とほぼ同程度です。

エアルーム種

エアルーム種は、エチオピアの野生種で、コーヒー豆発祥の地であるエチオピアの森に昔から生えているコーヒーを元祖とする種です。現在、エアルーム種にはいくつかの変種があることが認められており、生える場所によって異なりを見せています。エアルームは亜種としてクルメ種とウェリコ種を含んでおり、酸味とみずみずしさを程よく持つ風味が特徴です。

ゲイシャ種

ゲイシャ種(ゲシャ種とも呼ばれる)は、パナマで栽培されている高品質の種ですが、もともとはエチオピアのゲシャ村というところで生まれた種です。近頃では、パナマのゲイシャ種は世界中で最も高品質なコーヒー品種の1つとして見なされており、相当高い値段がつけられています。

ムンドノーヴォ種

ムンドノーヴォ種は、ブルボン種とティピカ種との交配により1940年代に誕生した品種です。ブラジルの気候に適していることと、その生産性の高さから、ブラジルを代表するコーヒー品種の1つとなっています。

SL28 & SL34

SL28 & SL34は、ケニアで栽培されている品種です。ケニアの高級な豆のほとんどは、この2つの種類のうちどちらかを含んでいます。SLという名前は、”スコット・ラボラトリー”という、生産的が高くかつ耐久性のある品種を生み出すという目的で1930年代にケニア政府のもとで活動していた機関の名称の頭文字から来ています。彼らは与えられたミッションに成功しなかったものの、SL28とSL34という、シトラスの香りや甘さといった芳醇で濃厚な多次元の風味を持つ品種を生み出しました。SL28とSL34は、生豆の中では最高品質の部類に入ります。

ティモール種

ティモール種(ティムティムとも呼ばれる)は、1940年代にティモール島で発見された、アラビカ種とロブスタ種との自然交配により出来た種です。サビ病に非常に強いことが特徴です。通常、この種は他の種と一緒に栽培またはブレンドされることがほとんどです。

ティピカ種

ティピカ種はコーヒーの祖先です。この種は世界中に広まり、各地の気候に適応し、ハワイのコナや、ジャマイカのブルーマウンテンなど、様々な品種へと変化を遂げました。一般的に収穫高は小さいのですが、品質は極めて高く、すっきりとした後味と程よい甘みが特徴です。

ヴァリエダ・コロンビア種

ヴァリエダ・コロンビア種(コロンビア種)は、カトゥーラ種とカティモール種の交配により誕生した種です。非常に生産性が高く、病虫害にも強いのがこの種の特徴で、人気の種の1つとなっています。キャラメルやチョコレートのような風味を持っています。

イエローブルボン種

レッドブルボン種、ピンクブルボン種とともに、イエローブルボン種は、ブルボン種の突然変異によって生まれた種です。完熟すると、果実が黄色に変色することから、その名がつきました。この種の持つ驚くほど豊かな風味が、その生産性の低さをカバーしています。

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写真: coffee berries CC Jonathan Wilkin & coffee variety tree Cafe Imports.

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