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なぜスラープではドイツのコーヒーも扱っているの?

なぜスラープではドイツのコーヒーも扱っているの?
2020-09-11 Miyuki Ito

なぜスラープではドイツのコーヒーも扱っているの?
お客様やジャーナリストの方から頻繁にお寄せいただく質問です。
フィンランド発のスタートアップの会社なのに、なぜドイツのコーヒーを取り扱っているのでしょうか?

エスプレッソの本場イタリア、カフェ文化の根付いたフランスはコーヒーとの結びつきが強いというのは簡単に想像できます。しかし実は、ドイツもまた、17世紀から絶え間なくコーヒーが愛されていた国なのです。

少し歴史を紐解いてみましょう。

ヨーロッパ人で初めてコーヒーを目撃したのは、ドイツ人だった!?

アフリカで生まれたとされるコーヒーノキは、7〜8世紀のイスラム教勃興と共に、歴史の表舞台に出てきます。イスラム教の普及と伴い、コーヒーはアフリカから中東イスラムに広がり、ヨーロッパに渡るのも時間の問題でした。
1573年、ドイツ人の医師であり、植物学者であるラウヴォルフがレヴァント地方(シリア、ヨルダンあたりの地中海沿岸エリア)旅行中に自著『東方旅行の実録』でコーヒーを紹介。これがヨーロッパ人初のコーヒー目撃情報だそうです。

オスマン帝国ルートや東インド会社ルートを使ってヨーロッパに進出したコーヒーですが、最初のうちは思うように根付かず、17世紀まで上層階級の一部の人だけに好まれる飲み物でした。ところがコーヒーハウスの出現により、一般の市民たちにも手が届く飲み物になっていったのです。

いつだって流行は女性がリードする?
ドイツのコーヒーは女子会でブレイク!

いくつもの植民地を統治していたイギリス、フランス、オランダで流行し初めていたコーヒーがドイツに伝わったのは1670年。他の国と異なり、コーヒーは女性の飲み物として広まり、女性たちの間でコーヒーの茶話会がブームとなりました。コーヒーの需要が高まり、国の資金が海外に流出することを遅れたプロイセン王フリードリヒ2世は1777年にコーヒー禁止令を出すほど。人々はそれでもコーヒーを求め、代用コーヒーが本物のコーヒーよりも多く飲まれるという逆転現象も生じたほど。気がつけばドイツはコーヒーに魅せられた最大のコーヒー消費国のひとつになります。

ナポレオンによりヨーロッパ全体が戦地となった1800年前後。ヨーロッパ全域は一時、コーヒー不足に喘ぎますが、その後のウィーン体勢がもたらした平和で第一次コーヒーブームが幕開けます。
ちょうどその頃ドイツでは、それまでの装飾主義からの反動で、もっと身近で日常的なものに目を向けようという質実剛健な「ビーダーマイヤー(Biedermeier)」という市民文化が生まれます。実利性を重視した時代の流れで、さまざまな抽出方法が生み出されました。サイフォンやコーヒープレスなど、現在でも使われている器具はこの頃にドイツで発明されたとされています。

コーヒー需要の裾野が広がった19世紀
第二次コーヒーブームの到来

1871年にドイツ帝国が成立し、国内では急速に工業化が進むと同時に、コーヒーの消費は工場労働者によって後押しされました。中南米やアフリカで生産されたコーヒーは、巨大市場アメリカとヨーロッパに分けられ、ニューヨークとハンブルグ にあった巨大倉庫に収められたそうです。ドイツのコーヒー取引量は、アメリカの半分であったものの、ヨーロッパで最も近代化されていた港であるハンブルグには、主にブラジルから多くのコーヒーが貯蔵されました。今でもハンブルク は、ドイツ・コーヒーの中心地。ドイツのコーヒー協会もここを拠点にしていますし、多くのコーヒーショップが存在しています。
その後、ヨーロッパは2度の大戦の舞台となり、戦火に巻き込まれるのですが、その度に兵士や労働者に求められたのがコーヒー。大戦後はコーヒー豆の暴落、不作やコーヒーに壊滅的な被害を与えたさび病の蔓延など、多々の危機を乗り越えながらも、コーヒーは人々の生活になくてはならないものになりました。17世期からの歴史がドイツのコーヒーを「国民的飲料」に持ち上げたのです。

地域によって変化するコーヒーの個性
それが多数の焙煎家を束ねたSLURPドイツの醍醐味

このような歴史的な背景に加え、ドイツのコーヒーをさらに特徴づけているのが「地域性」です。さて、その地域性とはどのようなものでしょうか?

「隣国のコーヒー文化の影響を受けるのが、ドイツのコーヒーの特徴」と、SLURPでドイツの焙煎家を開拓しているコーヒーエキスパートのHenri Lopponenは語ります。
「イタリアからの街道が通るドイツ南部ではエスプレッソ用のコーヒーが人気。一方で、北のほうは北欧に近いこともあってか、浅煎りコーヒーが主役です。このように地域によって得意な焙煎が異なるのがドイツのコーヒーらしさと言えるでしょう。例えば、先日スラープのパートナーに加わったオーストリア国境に近いWildkaffee Rösterei は、大きな都市から離れたスキーリゾートの近くにお店を構えています。そんなところの焙煎所にお客様がくるのだろうか? と思われるかもしれませんが、地元の人たちが車に乗って、そこの焙煎家を目指してやってきます。その土地の人たちの好みをしっかりと理解し、満足度の高いコーヒーを販売しているから、お客様が絶え間なくやってくるのです。そこで焙煎されるコーヒーは、確かにベルリンやハンブルグ の焙煎家がローストするものとフレーバーやテイストが明らかに違います。仕事でドイツ国内、多くの焙煎家に足を運びますが、”ドイツのコーヒー”と一言で括れない幅広さに気付きますね」。
地域によって特徴のことなるドイツのコーヒー。現在、パートナーとなっている焙煎家はドイツ国内に14人います。自宅にいながらドイツ国内を旅するような感覚で様々なコーヒーを楽しめる、そんな体験ができるのもドイツの焙煎家と提携しているスラープのサブスクリプションの醍醐味です。

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