高品質コーヒーづくりは、まさに手仕事
スペシャルティコーヒーの生産は、大量生産されるバルクコーヒーのそれとは本質的に異なります。品質を最大限に高めることを目的にしたとき、コーヒーの品種や栽培場所の選定をはじめ、コーヒー生産におけるすべての過程が異なる方法で行われます。高品質コーヒーづくりは、多くの手仕事を必要とし、その労力は価格に反映されます。
最適な生育条件
栽培場所は、コーヒーの品質を決定づける最大要因です。お決まりのルールとして、栽培される場所が高地であればあるほど風味がよくなる、というものがあります。一般的に、低地で栽培されたコーヒーは単調でスパイシーな風味を持ち、一方、高地で栽培されたコーヒーは、チョコレートやベリーなどのような多次元の風味を持ちます。
土壌は、コーヒーノキの実の成熟度に影響を与えます。コーヒーノキは、ワインと同様、地面から水や養分を吸います。しかし、施肥された土壌や養分のある土壌が最高の風味を生み出す、とは必ずしも言い切れません。コーヒーノキが一生懸命成長しようとする必要が出て来るほど、果実とその種子(コーヒー豆)の中に、より多くの風味が詰め込まれていくのです。
適切な量の光は、おいしいコーヒーづくりに欠かせません。高品質コーヒーは、海抜よりも高く、かつ日陰のある場所で栽培されます。素晴らしい風味とは、時間をかけて果実が成熟する中で作られるものなので、コーヒーの実の成熟を無駄に早めてしまう要因である直射日光は避けなければなりません。
コーヒーづくりでは、手仕事が品質を高める
手摘みによる収穫は、熟した果実のみを摘み、熟していない果実に熟成の期間を与えることを可能にします。果実の成熟度は、数日おきにチェックする必要があります。また、機械では果実の熟成度を見分けることは難しく、さらに、急斜面でかつシェードツリーのもとという環境では、そもそも機械を使用することが不可能です。コーヒーの実は手摘み、というのが小自作農におけるルールです。
コーヒーの精製は、収穫された果実からコーヒー豆を取り出す作業のことを指しますが、この作業は果実を摘み取ってから遅くとも次の日には取り掛かる必要があります。比較的大きな小農地保有者は、精製のための機械を保有していることもありますが、それ以外のほとんどの農家は、コーヒーをまず洗い場に持っていき、手作業で洗います。コーヒー豆の精製工程は、乾燥工程をはじめ、多くの手作業を要します。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コーヒー豆の選別は、最後の重要なステージです。コーヒー豆は、手作業と機械の両方によって選別されます。多くの場合、異なる大きさのコーヒー豆は、同じ大きさの豆同士で小分けにされ、悪い豆は取り除かれます。豆が大きいほど味が良い、というのがルールだからです。選別が終わると、ついにコーヒーは麻袋に詰められ、世界中に送られます。
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コーヒー生産におけるすべての工程は、コーヒーの風味に影響を与えます。たいてい、高地で育てられる高級な品種のコーヒーの収穫量は、低地で育てられる生産性が高く安い品種のコーヒーの収穫量の4分の1ほどですが、この事実も、両者の価格差に影響を与えています。スペシャルティコーヒーについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
写真: coffee cherries CC FCRebelo, coffee plantation CC INeedCoffee/CoffeeHero.
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