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スペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒー
2016-06-11 Nobuko Utsunomiya

スペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒーの定義と評価スケール

スペシャルティコーヒーとは、SCAA (the Specialty Coffee Association of America) とSCAE (the Specialty Coffee Association of Europe) によって開発された評価スケールで80点以上を獲得した豆のことを指します1

上記の評価スケールで80点以上を獲得するのは、実は簡単なことではありません。マイクロロースタリーで扱われている高級なコーヒー豆でさえも、90点以上を獲得することは珍しく、ましてや大量生産されているコーヒーとなると、80点を獲得することさえ難しくなります。

コーヒー豆に点数をつけるのが、プロのコーヒーテイスターの役割です。カッピングと呼ばれるプロセスにより、彼らはコーヒーに点数をつけていくのですが、複数人が同じコーヒー豆を試飲しても評価の差は+-1点ほどで、ほぼ同じ評価がそのコーヒーに与えられるほど、カッピングのプロセスは一貫されています。

以上のプロセスを経て見事80点以上を獲得したコーヒー豆は、さらに以下の4つに分類されます2

  • 90〜100点  :極めて素晴らしい
  • 85〜89.99点:素晴らしい
  • 80〜84.99点:とても良い
  • 80点以下  :スペシャルティコーヒー以下の品質

Specialty Coffee Beans

スペシャルティコーヒーを「特別」にする要素

それは生産者との関わりです。大量生産、大量消費の時代は終わり、コーヒーの本来の価値が見直されるようになった今、素晴らしい品質に対してプレミアム価格を支払うという概念は、生産者との関わり方を再認識することにつながりました。こうして、かつては貧しかった生産国では、高品質のコーヒーに相当のプレミアムが支払われるようになり、生産国では金銭面の不安が取り除かれ、より美味しいコーヒー生産が促され、また、消費国では、素晴らしい品質のコーヒーを享受できるようになったのです。このように、人道的な取組によって生産されるスペシャルティコーヒーは、まさに「特別」と言えるでしょう3

スペシャルティコーヒーの生産

実は、スペシャルティコーヒーの称号を獲得し得るのは現在のところアラビカ種という高品質の品種に限られています。その理由は、この種が香りに優れ、上品な酸味を持ち合わせていることにあります。その豊かな風味を極限まで引き出せるよう、その生産過程では細やかな手入れと気配りが必要とされます。

アラビカ種は、水はけの良い、海抜1500mから2000mくらいの高地での栽培に適しています。また、直射日光を好まないため、成長過程においては、シェードツリーと呼ばれる、木陰の役割を果たしてくれる木の下で育つことが大切です。良質のコーヒー豆を栽培するには、その他、水分量の調整や、間作、除草、カットバック(無駄な目を摘み、伸ばすべき幹に養分を集中させること)など、こまめな手入れが必要とされます。また、収穫にあたっては、品質の劣化を防ぐため、完熟した実はかな必ず、丁寧に1粒ずつ手で摘み取られます。

コーヒーの最大の生産国はブラジルですが、実は2番目に多く生産しているのはアジアに位置するベトナムということをみなさんご存知でしょうか。ベトナムで栽培されている品種はアラビカ種ではないため、スペシャルティコーヒーは未だベトナムからは輩出されていませんが、コーヒーの産地として昔から知られてきた場所とは違うところでも、現在はコーヒーの生産が盛んに行われているようです4。コーヒーの生産過程についてはこちらをご覧ください。

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1. http://www.scaa.org/PDF/resources/cupping-protocols.pdf
2. https://www.thespecialtycoffeecompany.com/resources/specialty-coffee
3. https://www.specialty-coffee.jp/user_data/about
4. http://www.perfectdailygrind.com/2016/05/steps-towards-specialty-vietnam-coffees-2nd-biggest-producer/

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